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コードとスケール（工事中）
Cat Professor's 選曲リストの補論
1.音程
音程のうち、絶対的音程は音の高低のことであり、(倍音を除いた)基音の周波数により操作的定義することができる。一方、相対的音程はある音と他の音との相対的な高低差のことであり、相対的音程は、1オクターブを12等分する平均律を前提とするならば、1オクターブを12等分した音の高低差により操作的定義される。表1は88鍵のピアノの音域でのC4を基音とした相対音程(整数)、その慣行的表記法、絶対音程の周波数(Hz)、基音に対する周波数の倍率、絶対音程の慣行的表記法(アルファベット)を示した。まず、各セル最下段の絶対的音程の周波数(Hz)は、C4は523.251Hz、（表示していないが）C5は1046.502Hzと、1オクターブ上の音は周波数が2倍となり、（表示していないが）A3は440Hz、A4は880Hzとなる。慣行的表記法では、1オクターブの12分の2を長2度、1オクターブの12分の2を短2度と呼ぶが、本稿では、相対的音程を1オクターブの12分の1を、つまり短2度を1音度、長2度を2音度、1オクターブを12音度とする表記法を併用する。
| 1 短2度 554.365 Hz 1.059倍 Db |
3 短3度 622.254Hz 1.189倍 Eb |
6 増4度 739.989Hz 1.414倍 Gb |
8 短6度 830.609Hz 1.587倍 Ab |
10 短7度 932.328Hz 1.782倍 Bb |
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| 0 1度 523.251Hz 1.000倍 C |
2 長2度 587.330Hz 1.122倍 D |
4 長3度 659.255Hz 1.260倍 E |
5 4度 698.456Hz 1.335倍 F |
7 5度 783.991Hz 1.498倍 G |
9 長6度 880.000Hz 1.682倍 A |
11 長7度 987.767Hz 1.888倍 B |
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2.コードと和音
同時に音程が異なる複数の音を鳴らすことを和音と呼ぶ。7音度(完全5度、例えばCとG)の2和音のように協和する和音を協和音、1音度(短1度、例えばCとDbの2和音のように協和しない和音を不協和音と呼ぶ。3和音の代表的な協和音には、長3和音と短3和音がある。
| 長3和音(C) | 短3和音(Cm) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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コードとは、あるメロディーの伴奏として協和する和音、と定義することもできるが、ここでは、メロディーを構成する音程の選択肢となるスケールを限定することをコードと定義する。つまり、コードがC、すなわち、基音がCの長3和音ならば、スケールはCアイオニアンなどのCを基音とする表3のうちの長音階系に限定される。また、コードがCm、すなわち、基音がCの短3和音ならば、スケールはCエオリアンなどのCを基音とする表3のうちの短音階系に限定される。
「明るい」「暗い」「うれしい」「悲しい」といった音楽の印象は、そのコード進行によって影響される。レゲエでは2コードという単純なコード進行が多い。
0→7音度2コード進行とは、基和音と7音度(完全5度)和音からなる2コード進行のことであり、つまり、トニックとドミナントからなる2コード進行である。0→7音度2コード進行のうち、長和音（メジャー･コード）からなる0→7音度メジャー･2コード進行は、「明るい」「うれしい」気分にさせるコード進行の典型である。0→7音度メジャー･2コード進行のメロディック・ベース・ラインの例は、Full Up(Studio One版ではC→G)、Heavenless(Studio One版ではF→C→F→F)、Unmetered Taxi(Taxi版はD→A)などである。0→7音度メジャー･2コード進行の童謡の例は、ドイツ民謡・岡本敏明作詞「かえるの合唱」(C→G)、ボヘミア民謡・村野四郎作詞「ぶんぶんぶん」(C→G)などである。
0→7音度2コード進行のうち、短和音（マイナー･コード）からなる0→7音度マイナー･2コード進行は、「やや暗い」「やや悲しい」気分にさせるコード進行の典型である。0→7音度マイナー･2コード進行のメロディック・ベース・ラインの例は、Clock Tower(Silly Walks Discotheque版ではDm*2→Am*2)などがある。
0→5音度2コード進行とは、基和音と5音度(完全4度)和音からなる2コード進行、つまり、トニックとサブドミナントの2コード進行のことである。0→5音度2コード進行のうち、長和音（メジャー･コード）からなる0→5メジャー･コード進行は、「明るい」「うれしい」気分にさせるコード進行の典型である。0→5音度メジャー･コード進行のメロディック・ベース・ラインの例は、Anser(Studio One版ではBb→Eb)、Feel Like Jumping(Studio One版ではC→F)、Love Me Forever(Studio One版ではA→D)などである。
0→5音度2コード進行のうち、短和音（マイナー･コード）からなる0→5音度マイナー･2コード進行は、「やや暗い」「やや悲しい」気分にさせるコード進行の典型である。0→5音度マイナー･2コード進行のメロディック・ベース・ラインの例は、On the Corner(Ghetto Youth版ではEbm→Abm)、Yemisi(Oneness RecordsではEm→Am)などである。
0→10音度2コード進行とは、基和音と10音度(-長2度)和音からなる2コード進行のことである。0→10音度2コード進行は、メジャー･コードでも少し暗くファンキーな感じがするコード進行である。0→10音度2コード進行のうち、長和音（メジャー･コード）のメロディック・ベース・ラインの例は、Real Rock(Studio One版ではBb→Ab)、Slengteng(Jammy'sレーベルのうちNoel Davey版ではD*3→C)などである。
3.スケール(音階)
スケール(音階)とは、あるコードにおいて選択可能な音程のことであり、低音から高音の順で表記される。表3の[相対音程]列では、基音を0として、当該のスケールにおいて選択可能な相対音程を、間隔が1音度(短2度)であれば「･」、間隔が2音度(長2度)以上であれば「-」でつないで表記した。
| スケール名 | 相対音程 | 音階の例 | 長音階か短音階 |
|---|---|---|---|
| ダイアトニック･スケール：7つの音から構成されるスケール | |||
| アイオニアン(Ionian) or メジャー or 長音階 | 0-2-4･5-7-9-11･ | C-D-E･F-G-A-B･ | 長 |
| ドリアン(Dorian) | 0-2･3-5-7-9･10 | D-E･F-G-A-B･C- | 短 |
| フリジアン(Phrygian) | 0･1-3-5-7･8-10- | E･F-G-A-B･C-D- | 長 |
| リディアン(Lydian) | 0-2-4-6･7-9-11･ | F-G-A-B･C-D-E･ | 長 |
| ミクソリディアン(Mixolydian) | 0-2-4･5-7-9･10- | G-A-B･C-D-E･F- | 長 |
| エオリアン(Aeolian) or マイナー or 短音階 | 0-2･3-5-7･8-10- | A-B･C-D-E･F-G- | 短 |
| ロクリアン(Locrian) | 0･1-3-5･6-8-10- | B･C-D-E･F-G-A- | 短 |
| ペンタトニック(Pentatonic)･スケール：5つの音から構成されるスケール | |||
| メジャーペンタトニック | 0-2-4-7-9- | C-D-E-G-A- | 長 |
| マイナーペンタトニック | 0-3-5-7-8- | A-C-D-E-G- | 短 |
| ヘキサゴン･スケール：6つの音から構成されるスケール | |||
| ブルーノート | 0-4-6-7-8-10- | A-C･D-Eb･E-G- | |
| ホールトーン(Whole-tone) | 0-2-4-6-8-10- | C-D-E-Gb-Ab-Bb- | 長 |
| オクタゴン･スケール：8つの音から構成されるスケール | |||
| オルタード(Altered) | 0･1-3･4-6･7-8-10- | C･Db-D#･E-F#-G･Ab-Bb- | |
§References§