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Cat Professor's Selected Pattern: 2002年2月8日〜2004年3月12日 計22回「ラテンだぜ!?レゲエ」での選曲パターン

選曲パターン解析編第１弾：レゲエ曲からラテン系曲にどうつないだか？

　N.O.R.E.(2006)Y La Familia...Ya Tu Sabeの発売を記念し、選曲パターン解析編第１弾として、「ラテンだぜ!?レゲエ」期を振り返ることにする。なお、2004年冬季までは新宿と渋谷ではレゲトンのレコードはほとんど流通していなかった。

　レゲエ曲からラテン系曲へと「ジャンルを越えて」つないだ場合の選曲で、(原則として)２回以上同一の組み合わせを用いた例を表１に掲載した。なお、ここでは、ラテン系曲とは、スペイン語またはポルトガル語で歌われている曲、これらの言語およびイタリア語またはフランス語を「母国語」とする人、および、トリニダード・トバゴ出身の人が歌唱・演奏している曲、のことを指す。

　Drifters「チョットだけョ！全員集合」はSEGAWA'X'が2002年2月8日に最初に使ったネタであり、原曲はLecuona Cuban Boy "Tabou"である。その後、Cat ProfessorはDrifters「チョットだけョ！全員集合」をサンプリングしたReggae Versionの"Tabou"をつくり、サンバ（阿波踊り!?）風のリズム部まで「引っ張った」こともあれば"Tabou"のうちに「ぶっこんだ」こともあったが、ラテン系曲としてはサンバなどにつないで計８回このパターンを用いた模様である。Live and Directに収録されているAswad "African Children"はルーツ・レゲエ曲の定番であるが、メドレーでの次曲"Soca Rumba"まで「引っ張る」とラテン系のリズムとなる。結局、"Tabou"または"African Children"〜"Soca Rumba"からラテン系曲につなぐパターンが「ラテンだぜ!?レゲエ」での「お約束」となっていた。

　第３位は"The Girl from Ipanema"のJohn HoltによるカバーからGilberto夫妻とAntnio Jobinなどによる原曲につなぐパターンで、これは９時台でも使ったため使用頻度が高くなった。第４位のJackie Mittoo "Soul Finger"とWillie Colon "Willie Whopper"はともに「メリーさんの羊」ネタの曲であり、表２に示したように、「逆の」ラテン系曲からレゲエ曲に戻す際にも用いた。

　"Anacaona"はキューバの先住民族（インド人ではない!!）の女王のことで、アメリカ大陸およびその周辺島嶼部の先住民族についての歌という点では"Buffalo Soldiers"と共通している。なお、表２に掲載したように、Fania Allstars "Anacaona"からBob Marley and the Wailers "Buffalo Soldier"へという「逆の」パターンも用いた。

　Wayne Wonder "Glad You Came"とKaoma "Lambada"とはキーボードのメロディー・ラインが似ており、また、Master Pieceトラックはレゲトンに近いリズム・パターンであるため２回用いた。Tony Rebel "Jah is by my Side"のスペイン語バージョンが"Si Jah Esta a Lado de Mi"であり、このバージョンのリズムはサルサ風である。なお、表２に掲載したように、「逆の」パターンも用いた。

　さて、表１には掲載していないが、Beenieeman "Tumble"、Luciano "Life"、Frisco Kid "Get Away" (trk: Mexican)、Sizzla "Come On" (trk: Mexican) などラテンぽいリズムの（知らない人であればレゲエには聞こえないかもしれない）レゲエ曲も選曲した。2002年12月以降、「ラテンだぜ!?レゲエ」が「DJネームはラテン（高森朝雄）系であるがラテンでもレゲエでもない??」方向に走ってしまったため、Aswad "African Children"のように「レゲエらしいレゲエ」からラテン系曲へとつなぐパターンを多用する結果となった。

選曲パターン解析編第２弾：ラテン系曲からレゲエ曲にどう「戻した」か？

　ラテン系曲からレゲエ曲へと「ジャンルを越えて」つないだ場合の選曲で、(原則として)２回以上同一の組み合わせを用いた例を表２に掲載した。

　第１位は、Ruben Blades "Buscando America"からSting "Englishman in N.Y."およびこのカバー曲であるShineHead "Jamaican in N.Y."やMystic Revealers "Rastaman in New York"につなぐパターンで、（世界最大のテロリスト国家となってしまった）アメリカ合衆国においては"alien"であるパナマ人(Ruben Blades)とイギリス人(Sting)やジャマイカ人(ShineHead)は、ともにアメリカ合衆国に対してあこがれもあり疎外感もあるという複雑な感情を抱いているいう歌詞の共通点での歌詞つなぎを多用した（ただし、Sting "Englishman in N.Y."はレゲエではない）。

　同一曲どおしの組み合わせは１回ずつしか使っていない（はず）であるが、つなぎのパターンとしてはもっとも多用したのが、ブラジリアン・ハウスなどのラテン系ハウス・バージョンからレゲエのハウス・バージョンへとロング・ミックスし、さらに、ハウス・バージョンの元（レゲエ）バージョンへとカットアウト　アンド　カットインするパターンであろう。

　第３位は、SanDiego "Tequila"からメロディー・ラインで"Tequila"を使っているShaggy "Oh Carolina"へのつなぎであった。ShineHead "Jamaican in N.Y."にしてもShaggy "Oh Carolina"にしてもレゲエとしてはポップ路線でのヒット曲という共通点がある。Espirito "Canto De Orfeo (Original Mix)"からLaidback "Sunshine Reggae"へはメロディー・ラインが似ているため２回使用した。

　レゲエ曲からラテン系曲につなぐ際には、「レゲエらしいレゲエ」からラテン系曲へとつなぐパターンを多用したのとは対照的に、ラテン系曲からレゲエ曲に「戻す」際には、ハウス・バージョンで「中継」するか、レゲエでもポップ路線でつなぐパターンを多用した。